教員採用試験 一般教養の科目を解説【ない自治体も】

教員採用試験 一般教養とは

教員を目指している人

はじめて教員採用試験を受験するけど、一般教養って何?どんな科目が出るのか知りたいな。あと、出題のない県とかあるの?

一般教養とは、教養試験の1カテゴリーで「中学校から高校までに勉強した全科目」のことを指します。

出題科目が多く、範囲が膨大なため対策に悩む人は多いですよ。

そこで、この記事では「一般教養の特徴や傾向」を解説していきます。

福永

この記事を書いている僕は、大学などで教採指導歴11年目。月間平均アクセス数15万の総合サイト「Road to Success」の運営をしています。

探せば、一般教養の出題がない自治体も10個ほどあるので、後半で紹介しておきますね。

それでは、見ていきましょう!

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教員採用試験 一般教養とは|3つの特徴を解説!

教員採用試験 一般教養とは

  • 差がつきやすい
  • レベルはセンター試験くらい
  • 対策がしにくい

順番に解説します。

特徴①:一般教養は差がつきやすい

一般教養は受験者のなかで差がはっきり出やすいです。

なぜなら、今までの勉強がモロに反映されるから!

国立大学出身者と私立文系出身者の学力って違いますよね。

やはりセンター試験を経験している国立大学出身者の方が成績はいいです。

特徴②:レベルはセンタ試験くらいです。

一般教養のレベルは高校受験~センター試験程度。

ただ、常識で解ける問題も出題されていますよ!

例えば、こんな問題です!

日本の初代内閣総理大臣は( )である。

 

ア 原敬
イ 大隈重信
ウ 伊藤博文
エ 吉田茂
オ 近藤文麿

 

(2019年度 静岡県・静岡市・浜松市)

解けましたか?

正解は「ウ 伊藤博文」ですね。

中学校で習う知識ですよ。

特徴③:範囲が広いので対策がしにくい

日本史や世界史って範囲が膨大ですよね。

また物理や地学は、高校で履修していない受験者も多いと思います。

しかし、教員採用試験では、勉強したことがある、なし関係なく出題があります。

何をどこまで、どれだけやったらいいのか分かりにくいため、対策がしにくいのです。

続いて、出題される科目の特徴を見ていきましょう。

【傾向あり】教員採用試験 一般教養の科目を解説!

教員採用試験 一般教養の科目を解説

  • 国語
  • 数学
  • 英語
  • 理科
  • 社会
  • 音楽
  • 美術
  • 保健体育
  • 家庭

順番に解説します

一般教養①:国語

国語は、一般教養の中で出題数が多い科目です。

次の6分野から出題がありますよ!

  • 漢字
  • ことば
  • 読解
  • 和歌
  • 文学
  • その他

この中で、最も出題が多い分野は「漢字」です。

その出題率は35%

分野ごとの出題率は次のとおり。

漢字 35%
ことば 21%
読解 16%
和歌 9%
文学 15%
その他 4%

漢字

漢字分野は「漢字の読み取り」や「同音異義語」「四字熟語」などに関する出題があります。

なかでも「同音異義語」と「四字熟語」は頻出です。

ことば

「ことわざ」「慣用句」「敬語」や「文法」に関する出題があります。

なかでも「慣用句」の出題が多いです。

また、文法は品詞の分類や助動詞、敬語に関する出題があります。

頻出度は多くないわりに、難しいので優先順位は低め。

読解

300~400字くらいの文章を読んで趣旨把握や内容一致の選択肢を選ぶ問題がでています。

自治体によっては現代文のほかに古文や漢文の出題もありますよ。

時間をかけずに解くことが重要なので、文章を読む練習をしましょう。

和歌

短歌や俳句に関する出題があります。

出題率は9%と高くはありませんが、有名な資料には目を通しておけるといいです。

文学

日本文学、世界文学から出題があります。

おもに作品名や人物名の組み合わせに関する問題。主要な人物や作品は覚えておきましょう。

その他

国語に関する基礎知識や日本語に関する常識問題などが出題されています。

一般教養②:数学

数学は高校2年生までの範囲から出題されます。

ものすごく基本的なことしか出題されていないため、センター試験の数学を勉強したことがある人は得点源にできます。

しかし、「数学大嫌い」という人は、注意が必要です。

分野ごとの出題率は次のとおり。

一般教養「数学」のデータ

 

「確率」や「図形」は解き方が分かればある程度解けるので、部分的にやっておいたほうがいいです。

一般教養③:英語

英語も出題数は多め!

英語は次の5分野で構成されています。

  • 単語
  • 熟語・文法
  • ことわざ
  • 会話文
  • 英文読解

この中で、最も出題が多い分野は「会話文」と「英文読解」です。

2分野で全体の60%以上を占めています。

全体的な出題率は次のとおり。

単語 4%
熟語・文法 22%
表現・作文 12%
会話文 32%
読解 30%

単語

「単語の訳」や「発音」などに関する出題があります。

全体的な出題率は高くないですが、狙われやすい単語は決まっているので一気に覚えてしまいましょう。

文法

高校1年レベルまでの文法が出題されます。

多くは空欄に当てはまる語句を入れる問題。

基礎的なSVCOを復習しておきましょう。

表現・作文

「ことわざ」や「短い英作文」などの出題があります。

空欄補充が多く、出やすいことわざもパターンがあるため一気に覚えましょう。

会話文

英語で1番出題率が高い分野です。

短い会話文を読んで空欄に当てはまる会話や意味を選択する問題。

会話文独特の表現などがあるので覚えておくといいでしょう。

英文読解

会話文に次いで出題の高い分野です。

短い文を読んで内容一致や趣旨を読み解く問題です。

時間をかけすぎると、他の問題が解けなくなるので注意が必要です。

速読できるように、普段から英文に慣れることが大切。

一般教養④:理科

理科は、次の4科目から出題がありますよ!

  • 物理
  • 化学
  • 生物
  • 地学

それぞれ見ていきましょう!

物理

物理も理系出身者以外は、素直に捨ててしまったほうが賢明です。

「運動」と「電磁気」がよく出ているので、出題数の多い自治体なら勉強しましょう。

物理の頻出分野は次のとおり。

一般教養「物理」のデータ

 

最近は計算のいらない知識問題の出題も増えているので、時間があったらやっておこう!

化学

化学も理系出身からすれば楽勝科目ですが、文系で化学をやったことがない人は捨てたほうが賢明です。

「無機・有機」は暗記で片付くのでやっておけば点数はとれますが、量が多いのでおすすめしません。

他の科目をやって余力があれば手をつけるくらいの方がいいです。

化学の頻出分野は次のとおり。

一般教養「化学」のデータ

 

生物

生物はできるだけ得点源にしたい科目です。

なぜなら、計算も必要なく、範囲も狭いから。

試験レベルもセンター試験よりはるかに低いため、捨てないでおきましょう。

分野(遺伝など)によっては、理解が必要なこともありますよ。

生物の出題率は次のとおり。

一般教養「生物」のデータ

 

頻出は「消化器官」と「生物の集団」です。

地学

地学は楽勝科目なので、捨てずに対策をしましょう。

出題率も年々高くなっているのでお得です!

しかし、出ても1問なので時間をかけずにサクッと対策をすることが重要!

地学の頻出分野は次のとおり。

一般教養「地学」のデータ

 

「宇宙関連」の出題は増えています。必ず確認しておきましょう。

一般教養⑤:社会

社会は次の5科目から出題がありますよ!

  • 日本史
  • 世界史
  • 地理
  • 政治
  • 経済

順番に見ていきましょう!

日本史

日本史は社会科学の中で出題が多いです。

主な出題分野は「江戸時代」「明治時代」「平安時代」「鎌倉時代」

最近の傾向として「歴史を通しての総合問題」が増えています。

まずは「江戸時代」と「明治時代」を攻略しましょう。

下記グラフは時代別の出題率です。参考にしてくださいね。

一般教養「社会」のデータ2

 

見てのとおり、江戸時代と明治時代で30%以上を占めているので、ここから仕上げるようにしましょう。

世界史

世界史の出題は減少傾向にあります。

2019年(令和2年度)の試験で世界史の出題があったのは次の7自治体だけです。

  • 北海道・札幌市
  • 福井県
  • 長野県
  • 兵庫県
  • 和歌山県
  • 徳島県
  • 香川県

出題の多かった「神奈川県」や「埼玉県」では出題がなくなっていますよ。

また、世界史単独の出題ではなく、日本史と絡めた問題が増加中。

分野ごとの出題率は次のとおり。

一般教養「世界史」のデータ

 

頻出分野は「世界大戦」と「現代史」の2分野です。

地理

地理は日本史に次いで出題の多い科目です。

地学など、他の科目とかぶる部分があるため、捨て科目にしてはいけません。

出題は「気候」や「日本・海外の産業」「地誌」など。

出題は世界地誌に関する出題が圧倒的です。

一般教養「地理」のデータ

 

アジアや南北アメリカに関する出題が多いです。

地理は底が浅い科目なので、勉強すれば正答できます。

時事で話題になっている国や地域の出題が多いので、覚えておくといいですよ。

政治

政治は「日本国憲法」「選挙」「政治史」「国際関係」から出題があります。

出題の多くは「日本国憲法」ですが、最近は時事を含めた出題が多い傾向にあります。

日ごろからニュースなどをチェックしておきましょう。

政治で問われる知識は時事を除けば底が浅いため、一気に知識をインプットすることが重要です。

分野ごとの出題率は次のとおり。

 

「三権分立(国会、内閣、司法」」はそれぞれの権力や関わりを細かく覚えておくようにしましょう。

一般教養「政治」のデータ

経済

主な出題分野は「経済基礎」「金融政策」「税金」「財政政策」「国際経済」です。

近年は「消費者問題」に関する出題も増えているため、政治と同じく時事の知識も必要。

日本の財政と国際経済を中心に勉強をしましょう!

分野ごとの出題率は次のとおり。

一般教養「経済」のデータ

 

先ほど言った通り、時事についても知識を拾っておけるといいです。

一般教養⑥:音楽

過去5年間で音楽の出題があった自治体は次のとおり。

埼玉県 さいたま市 神奈川県
横浜市 川崎市 相模原市
長野県 愛知県 京都市
徳島県 香川県 福岡市

楽譜を見て楽曲や作曲者を選ぶ問題や音楽史の出題が増えています。

出題は大きく分けて「音楽基礎」「西洋音楽史」「日本音楽史」の3分野。

このうち「西洋音楽史」の出題が約50%を占めています。

音楽の出題は1問ほどなので、時間のかけすぎはよくありませんよ。

一般教養⑦:美術

過去5年間で美術の出題があった自治体は次のとおり。

北海道 札幌市 新潟県
埼玉県 さいたま市 神奈川県
横浜市 川崎市 相模原市
長野県 愛知県 京都市
徳島県 香川県 福岡市

出題範囲は「美術基礎」「日本美術史」「西洋美術史」「伝統工芸」の4分野。

この中で「西洋美術史」の出題が約50%を占めています。

作品を見て作者を選ぶ問題が多いです。

代表的な作者と作品をあわせて覚えましょう。

一般教養⑧:保健体育

過去5年間で音楽の出題があった自治体は次のとおり。

埼玉県 さいたま市 長野県
愛知県 京都府 兵庫県
香川県 福岡市

出題範囲は「オリンピック」「病気と予防」「応急手当」「スポーツのルール、用語」の4分野。

なかでも2020年2021年東京オリンピック開催が控えているため「オリンピック」の出題が増えています。

「応急処置」の出題率も高いため、併せて確認しよう。

MEMO

オリンピック関連の問題は歴史や地理などとして出題することもできるため、要注意。

例)2020年第2回東京オリンピックの開催が決まったが、次の1~5のうち、2度オリンピックが開催された都市の組合せとして正しいのはどれか。

例)2020年に東京オリンピックが行われるが、2000~2016年に開催されたオリンピックの順番として正しいのなどれか。

一般教養⑨:家庭

過去5年間で音楽の出題があった自治体は次のとおり。

秋田県 群馬県 埼玉県
静岡県 愛知県 兵庫県
神戸市 徳島県 香川県
北海道

出題範囲は「食物」「被服」「消費」「知識」の4分野。

この中で「食物」の出題率が最も高く、約50%を占めています。

教員採用試験 「一般教養なし」の10自治体を紹介

教員採用試験 一般教養なしの自治体

探せば、一般教養が出題されない自治体もありますよ!

現在(2019年)、一般教養の出題がない自治体は次の10自治体です。

  • 岩手県
  • 福島県
  • 東京都
  • 岐阜県
  • 奈良県
  • 岡山県
  • 広島県・広島市
  • 熊本県
  • 熊本市
  • 宮崎県

上記のほか、一般教養の出題はあるけど、内容が「時事のみ」「国語だけ」「特殊な試験」といった対策をあまりしなくても解くことができる自治体も探せばあります。

自治体の特徴を解説します。

岩手県

岩手県の教養試験は教職教養のみの出題です。

試験は大問12題、解答個数60個の出題があります。

全問マークシート方式で試験時間は60分。

60問の出題に対して試験時間が60分です。平均して1問1分以内で解かなくてはいけない特徴があります。また出題の多くが教育法規と教育史です。

教育史は全国でもトップを争う出題数なので注意しましょう。

福島県

福島県の教養試験は教職教養のみの出題です。

試験問題は受験する校種によって内容が違います。平均30問の出題があり、全問記述式です。

東京都

東京都の教養試験は教職教養のみ出題があります。

大問31題、解答個数25個の出題があります。

全問マークシート方式で、試験時間は60分。

教育法規の出題が多く、学習指導要領は受験する校種に特化した内容が必須です。

岐阜県

岐阜県の教養試験は教職教養のみの出題です。

出題数は全10問で全科目からバランスよく出題があります。

特徴は専門試験の配点が高く、教養試験があまり重要ではありません。

例えば高校は教養試験50点に対して専門試験は300点あります。

奈良県

奈良県の教養試験は教職教養のみ出題があります。

出題は教育時事が多く難易度は高い自治体です。

全問マークシート方式で試験時間は45分です。

岡山県

岡山県は教職教養のみ出題があります。

25問の出題があり、マークシート方式です。

試験時間は50分。

岡山市は一般教養が出題されるため迷っている人は注意しましょう。

広島県・広島市

広島県・広島市の教養試験は教職教養のみ出題があります。

特徴は全問記述式です。

語句について説明させる問題があったり難易度は高いですが受験者数はとても少ないです。

熊本県

熊本県の教養試験は教職教養のみ出題があります。

大問8題、解答個数40問の出題があります。

全問マークシート方式で、試験時間は40分。

教育法規と教育時事を中心に問題が作成されています。

熊本市

熊本市の教養試験は教職教養のみ出題があります。

大問13題の出題がります。

全問マークシート方式で試験時間は40分。

2018年から熊本県と試験を別に実施するようになりました。

宮崎県

宮崎県の教養試験は教職教養のみ出題があります。

大問10問、解答個数45問の出題

全問マークシート方式で、試験時間は50分です。

教育法規と教育時事を中心に、宮崎県に関する問題と教育原理が少しでる傾向です。

教育史はほとんど出題がありません。

教員採用試験 一般教養の特徴まとめ

教員採用試験において、一般教養は差が付きやすい教科です。

点数が伸びない人の多くが、一般教養で点をとることができていません。

ライバルに差をつけるには一般教養の攻略が不可欠ということを覚えておきましょう。

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