教員を目指している人
このような悩みを解決していきます。
✅主な内容
- 教員採用試験における「教育史」とは
- 教育史の分野と出題率
教育史は、「歴史」というイメージから避けてしまう受験者が非常に多いです。
しかし、少し勉強すれば得点源にできる科目なので、「即捨て科目」にするのは損かと。
記事を読むことで「教育史の特徴や重要分野」を知ることができますよ。
福永
3分で理解できます。ぜひ、参考にしてみてください。
タップできる「もくじ」
【科目】教員採用試験「教育史」の特徴3つ
- 暗記だけど、範囲は狭い
- 出題割合は低い
- 難易度は低め
順番に解説していきます。
特徴①:暗記だけど、範囲は狭い
教育史は教職教養科目の1つで、どの都道府県も1~2問程度出題されています。
“教育の歴史”なので暗記がメインとなります。
暗記が苦手な受験者にとっては苦痛の科目ですが、出題されやすい分野は決まってるんですね。
勉強をはじめる前に本記事を参考にして傾向をつかんでみましょう。
特徴②:出題割合は低い
教職教養での、教育史の出題率は高くありません(下図)。
教育史の出題率は全体の4%ほどです。
最近は、出題自体がなくなっている自治体もあるくらいですからね。
傾向を把握して、捨て科目にするのもありです。
特徴③:難易度は低め
教育史では「人物名と名言や著書」を結びつける問題が圧倒的に多く出題されます。
出題頻度が多い人物や著書には傾向があるため、参考書や問題集を理解していれば、確実に得点できる問題がほとんどです。
たまに聞いたことないような人物や著書が出題されますが、選択肢をみると消去法で削ることができるため困ることは少ないですよ。
試験までにやることがなくなったら、一気にインプットしてしまいましょう!
【科目】教員採用試験「教育史」の分野は2つだけ。
教育史の出題分野は「日本教育史」と「西洋教育史」の2分野です。それぞれの出題割合は次のとおり。
出題の70%は「西洋教育史」からです。どちらの分野も全範囲から出題されるわけではなく、出題されやすい分野は決まっています。
実際に出題された問題も見ながら、内容を把握してみましょう。
分野①:西洋教育史
出題頻度を時代別にA(重要度高い)~C(重要度低い)で表すと次の通り。
古代 | C |
---|---|
中世 | C |
近世 | C |
近代 | B |
現代 | B |
過去問チャレンジ
次の文は,イギリスの教育思想家についての説明である。この説明で示された人物を,下の①~⑤から一つ選びなさい。
みずから有能な紡績工場経営者でありながら,イギリス産業革命がもたらしたさまざまの社会問題を目のあたりにして,教育を軸とした社会改良,そして社会主義社会の建設を志向した思想家,実践家。1771年イギリス・ウェールズの小さな馬具・金物屋の息子として生まれた。幼い頃より丁稚奉公に出て商人としての実務をみっちり身につけ,20歳の頃には産業革命発生の地マンチェスターで職工500人を使う紡績工場の支配人になっていた。かれはこの実績を背景に,1800年よりニューラナーク紡績工場の経営者となり,それは24年間続いた。彼は工場労働者の子どもたちの教育に特別の配慮を払うなどして,ここを労働者の理想郷的工場村として営んだ。その経験と思索をまとめたのが1813年の著作『新社会観』である。
それは人間の性格は環境の産物であるので,性格の改善には環境の改善が先行しなければならぬと説き,改善された環境での新しい性格形成をめざし,そのことから社会改良をくわだてる“性格形成学院”という学校の建設へとつながった。
① オーエン ② ミル ③ スペンサー ④ ベル ⑤ ランカスター
正答:①
分野②:日本教育史
出題頻度を時代別にA(重要度高い)~C(重要度低い)で表すと次の通り。
古代 | C |
---|---|
中世 | C |
近世 | B |
近代 | A |
現代 | B |
過去問チャレンジ
次は,我が国の寺子屋について説明した文である。①~④から正しくないものを一つ選べ。
① 寺子屋の起源は,16世紀前半,室町後期にまでさかのぼることができる。本格的な普及期は,18世紀より19世紀前半,すなわち近世の中葉から幕末にかけてのころである。
② 寺子屋は,庶民の文字や計数(そろばん)の学習への要望によってささえられて普及をとげ,さらに,幕府や諸藩の教化・教育政策によって促進された教育施設である。
③ 幕府や諸藩の保護・統制を受けた寺子屋といっても,その本質はやはり民間の教育施設であった。したがって,経営者となり師匠となって開設したものの身分も,農・工・商あるいは芸人といった庶民が圧倒的な多数にのぼっている。
④ 寺子屋の教育内容は,地方地方によってまちまちではあるけれども,計数(そろばん)は全ての寺子屋で教えられていたといってさしつかえない。
正答:④
一石二鳥、三鳥になる科目です
教員採用試験の科目、教育史をまとめていました。
教育史の出題分野は、一般教養の「日本史」「世界史」「倫理」「美術」などでも出題されることがあります。
つまり、教育史を勉強するだけで、他の科目を勉強したことになるため一石二鳥・三鳥ですね。
優先順位は低めですが、出題傾向をつかんで対策するようにしましょう!